平成22年 第二回 練馬区議会定例会
一般質問(要旨)


練馬区議会自民党 上野 ひろみ


<公文書の保存と活用について>
質問1 @ 区は、文書管理の有り方を見直し、公文書管理法の趣旨も踏まえながら、「練馬区区政資料管理整備計画」を策定され、文書管理の一層の充実に向け、新たな一歩を踏み出しました。
 公文書は、職員が業務で利用するだけではなく、その多くが区政の主要な活動を跡付けるものであり、区民の共有財産として、将来にわたって残すべき資料であります。公文書を歴史的資料という視点から、収集・管理し、利活用につなげる仕組みをつくらなければなりません。
 歴史的文書の選別・引継ぎは今年度から本格的に実施されるとのことですが、まず、現在の進捗状況、そして、今後のスケジュールについてお聞かせ下さい。

答弁⇒@選別した資料の分類や整理に合わせ、年度内には、利活用を開始する。
A 整備計画では、収集・保存する資料は、区が職務上作成または取得した文書・写真等とされておりますが、町会や自治会が周年事業として、節目、節目に作成している記念誌なども練馬区の地域に根付いた、生きた歴史的資料として、後世において、行政の作成した文書・資料に劣らない、大きな価値を発揮できるものであり、資料の散逸を防ぐためにも、区として今後、一括した収集・保存にさらに努力すべきと考えますが、ご所見をお伺い致します。
答弁⇒A区民の協力を得ながら、それらの資料の収集・保存・利活用の検討を進める。
B 管理整備計画では、歴史的文書の収集・保存はもとより、その利活用を十分に図ることにも主眼が置かれており、その充実大いに期待するところであります。いくら資料の収集・保管がなされても、その活用が十分になされなければ、宝の持ち腐れになりかねません。利用窓口やレファレンスサービスの向上に向けて、どのような具体的な取り組みを進められていくのか、お聞かせ下さい。
 さらに、いわゆる現用文書に加え、歴史的資料の本格的な収集により、今後、保管スペースの確保が重要な課題になると思われます。この計画では、収集・利活用のための施設整備にも触れていますが、膨大になると予想される文書の効率的な保存には、民間のノウハウや保管施設の活用などを含め、柔軟な対応を図っていくことが必要ではないでしょうか。これにより、区の施設に空きスペースが生まれ、区民のために、一層効果的な活用が可能となるものと思います。今後の見通しと、考え方をお伺い致します。

答弁⇒Bホームページで情報を提供する。また、専門員の支援のもと、能力の向上と、サービスの充実を図る。なお、文書保管スペースの確保について、民間施設の活用も含め、最適な手段を講じる。

<生活保護について>
質問2 @ 本区では平成22年3月末で、被保護世帯数は1万世帯を超え、生活保護費の当初予算額は、実に一般会計の11.7%を占めております。
 しかし、生活保護費の負担割合はその1/4については区の一般財源からの支出であり、区財政における多大な負荷で、他の重要な施策の実現に、少なからず影響が生じる可能性があります。国と自治体の役割分担、あるいは協力関係については理解しておりますが、このまま生活保護受給世帯が増加する傾向が、継続するのであれば、現在の制度・仕組みのままで自治体が保護費を負担することは、大変に厳しい状況にあると考えられます。
 また、保護費だけにとどまらず、法外援護や生活保護申請の相談に始まり、保護費の支給事務、現地訪問、受給者への自立支援事業など、生活保護制度の運営のために、多くの職員の配置が必要とされております。
 生活保護制度においては、本来的には国の責任において実現されるべきものであり、これらに係る財政負担は、国の責務として、国が負うべきものであります。このことにつきましては、去る5月10日、特別区議会議長会を代表して、本橋練馬区議会議長から、鳩山内閣総理大臣(当時)に対して要望書を提出し、生活保護費等を自治体が負担することの問題点について明確に指摘したところであります。
 このような状況での生活保護費や制度運営に要する費用に係る区の負担について、区のお考えをお聞かせ下さい。

答弁⇒@生活保護費等に係る区の負担について、都とも連携し、国に改善を求める。
A 仮に生活保護費を受給している方の知識不足などにより、適正とは言い難い支出があるとすれば、直ちに是正されるべきものであり、生活保護受給世帯が、厳しい状況下にあることは分かりますが、区民の信頼のもとに制度が運用されることが求められるのは当然のことであります。
 生活保護費の中でも、その約4割を占めている医療費について、特に留意することが肝要であります。同一疾病の治療のために、いくつもの受診を重ねる行為、いわゆるドクターショッピングという事例を考えると、医療費を自ら負担しないことが、先にも述べましたが、生活保護費が善意によるものであることの意識が希薄になっているように感じられるところであります。また、レセプト点検により、表面化した過誤調整も少なくないと伺っております。
 これまで申してきました、あらゆる状況が続けば、受給の長期化を招き、就業意欲を失い、結局は本人のためにならないのみならず、貧困の固定化や子どもの世代の継承を招く恐れがあります。
 いずれにしましても、(らん)(きゅう)(ろう)(きゅう)ということがないよう、適正実施に向け、しっかりと対策の強化をして頂くよう要望致しますが、いかがでしょうか。また、生活保護制度に対する区民の信頼を高めるために、どのように取り組まれるのか、お考えをお聞かせ下さい。

答弁⇒A生活保護制度の適正な運用の医療費については、引き続き適正受診に努める。また、制度に対する信頼を高める取組みについて、適正な制度の運用を徹底する。

<保育施設について>
質問3 @ 待機児童対策について、練馬区においては、昨年429名であった待機児童数が、123名増加し、552名となりました。全国的な数値については、まだ、公表されておりませんが、昨年4月現在では、25,384人であり、半数が首都圏に集中しております。この傾向は、本年においても同様であることが容易に推測できます。働くためには、子供をどこかに預けなくてはなりません。一昔前は、祖父母が孫の世話をし、その役目を担っておられました。が、核家族化が進行した今、その役割は保育施設が担っているのが現状であります。「その保育施設が足りない。」区民の悲痛な叫び声が聞こえてくるようであります。
 区は、この喫緊の課題である待機児童問題を、どのように解決していこうとしているのか。区有地の跡地活用、優良な保育事業者の誘致など、様々な手立てはあると思いますが、いずれにしましても、区の力だけではなく、民間事業者の知識、経験、資金力を最大限利用し、待機児童対策に取り組んで頂きたいと考えますが、いかがでしょうか。区長のお考えをお聞かせください。

答弁(区長)⇒@平成22年度から24年度までを保育所集中整備期間として、位置付け、主に私立認可保育所の増設や定員増に早急に取り組む。
 私立保育所について、区にとって少ない財政支出で整備する手法として、民間の叡智、経験、資金力を最大限活用して、待機児童の解消を図る有効な手段でありますので、その拡大に向けて強化する。
 区有地の活用について、整備形態は民営とし、速やかに整備する。
A 練馬区の保育施策の、二本柱のひとつである、認可外保育施設には、「認証保育所」、「保育室」、「家庭福祉員」、いわゆる「保育ママ」などの制度があります。これらの定員枠は1,426名であり、保育施設受入定数の15%を担っております。区民の多様な保育ニーズに対応するためにも、また、待機児童解消に向けた即効性のある事業として、これらの充実についても必要だと考えますが、ご所見をお聞かせください。
 我が会派「自民党」の基本理念は、「子育ては家庭から」であり、在宅で子育てをされている方々への支援の拡充、さらには、幼稚園等の公私間の格差を、少しでも縮減することを望んでおります。それと同様に、仕事と子育ての両立支援策も重要であると考えております。
 今、必要なのは、「子どもたちに届く、子どもたちのための政策」であり、現金給付だけではない、子育て環境の整備を強く要望致しますが、いかがでしょうか。区のお考えをお聞かせ下さい。

答弁(区長)⇒A今後更なる増設を図る。なお、病児・病後児保育施設について、練馬駅北口区有地活用の中でも検討する。

<児童虐待防止の取り組みについて>
質問4 @ 虐待の通報窓口と、対応拠点について、現在、子ども家庭支援センターは、区内に5施設あり、その全てで虐待通報を受けることになっております。しかしながら、直接の対応は「練馬」と「関」の、2か所の子ども家庭支援センターで行うことになっており、今後さらに、長期計画において示されているように、練馬子ども家庭支援センターに虐待対応の機能を集中化することとしておられます。
 児童虐待対応の差をなくして、均一化を図ることや、対応職員が、情報やスキルを共有するために、機能を集中化することは必要だと思いますが、迅速さが求められる、現場対応の重要性を考えれば、通報窓口だけではなく、対応拠点も地域に複数設置することが必要だと思いまが、区のお考えをお聞かせ下さい。

答弁⇒@虐待の対応拠点について、迅速な対応が図れるよう機動性を確保する。
A 職員の専門性の確保について、児童虐待対応は、対応に困難さを伴うケースが多く、職員には高い専門性が求められており、職員は一定の見立てができる能力が必要であります。
 現在区の職員配置は、都の児童相談所のように、児童福祉士などの専門的な職員を配置するという、明確な仕組みにはなく、一般的な職員異動の中で、一定の配慮をしているのが現状であると、伺っております。また、非常勤職員には一定の専門性を採用条件として雇用されておりますが、報酬などの勤務条件が、決して高いものでないことから、優秀な非常勤職員が辞めていくこともあると聞いております。
 児童虐待対応には、経験豊富で専門性の高い職員が、安定して働ける環境を整える必要があると考えます。そこで、職員の専門性を担保する観点から、今後の児童虐待対応職員の配置についての区のお考えをお聞かせ下さい。また、4月に採用されました、美術館館長のように、児童相談所などの経験者を任期付職員として、採用してもよいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 さらに、平成17年度の児童福祉法の改正により、児童虐待の一義的な対応は、都道府県から、区市町村に位置づけられましたが、何ら国等からの予算の手当てがないため、全国の区市町村でも専門性の高い職員の確保が、進んでいないという状況にあると聞いております。児童虐待への対応が叫ばれている今、こうした予算の手当てについて、国や都に要請していくべきだと思いまが、いかがでしょうか。区のお考えをお聞かせ下さい。

答弁⇒A職員の専門性の確保について、職員の育成を図るとともに、外部職員の有資格者等の活用についても鋭意検討する。また、任期付き一般職員の採用については、制度の制約もあるが、十分検討しながら、判断する。なお、国や都に対する予算要望について、国や都が措置すべきと考えているので様々な機会を捉えて、要望する。

<まちづくり条例について>
質問5 @ 葬儀場は人生において、私たちの暮らしにとっては、不可欠なものと言えるでしょう。
 しかし、近年、区内でこれらの施設の建設を巡って、区民と事業者の間で、トラブルが発生していると仄聞しております。その原因を分析してみますと、これを規定する「まちづくり条例」では、葬祭場を特定用途建築物に位置づけ、500平方メートル以上の床面積のものに対して、周辺住民との調整の仕組みが定められております。しかし、これまで地域でトラブルとなっているものは、いずれも、この面積要件を下回っているため、関係者間の調整に、行政が根拠をもって、指導にあたれないのが現状であります。これでは、トラブルが妨げないのも、納得できます。
 そこで、面積要件の撤廃の、条例改正を含め、迅速な対応をして頂きたく、要望致しますが、区長のお考えをお聞かせ下さい。

答弁⇒@条例に示している要件が現状と齟齬をきたしている個所があると認識しているので、ご指摘を踏まえ、改正も含めて早急に検討する。

<田柄川緑道の再整備について>
質問6 @ 田柄川緑道の再整備について、この緑道には川が流れ、周辺の農地を潤し、のどかな景観をつくっておりました。また、雨が降ると地域の方たちは、川の氾濫を心配し、水位を細かく確認するなど、川と共に過ごす、日々の生活があったと聞いております。現在は、秋の陽公園から城北中央公園まで延びる、田柄川緑道となり、散歩やジョギングのコースとして利用され、地域の憩いの場となっております。平成17年までに北町一丁目から五丁目にかけては、すでにリニューアルされ、近隣の皆さんに喜ばれているところですが、その他の区域については、いまだ詳細な計画が示されておりません。再整備実現までには、まだまだ時間がかかりそうであります。中長期計画では、平成22年度:検討、23年度:一部基本設計、24年度:一部実施設計、となっております。
 町田市にある、田柄川緑道と同規模の「なかよし散歩道」は、平成19年度国土交通大臣表彰『手づくり郷土賞地域整備部門』を受賞しました。「なかよし散歩道」は、「治水」と「親水」の2層構造で、下部には大雨に備えた「雨水排除施設」、上部には雨水や湧水を利用した「せせらぎ水路と遊歩道」となっております。
 構想段階から懇談会を開催し、市民の皆さんのご意見をいただきながら進めると共に、愛称名の「なかよし散歩道」も、地域の小学校の、児童の皆さんに命名してもらうなど、地域と密着した事業を進め、また、維持管理についても、市民の皆さんと市が一体となり、月1回、原則第1土曜日に美化活動などを行っているようです。この受賞は、これらの取り組み等が認められたものだそうです。
 また先日、我が会派の有志で近隣国の中では、大規模な川の復元工事の、代表格ともいえる、韓国はソウル市の「清渓川(チョンゲチョン)」を視察に行ってまいりました。
 清渓川の歴史と完成に至るまでの過程と、工事内容をお聞きして、実際に川のほとりに降りて視察を行いました。
 川の復元前の清渓川は、暗渠工事がされ、幅50メートルから80メートルの、長さが約6キロの清渓川道路と、その上を走る幅16メートル、長さ5.8キロの高架道路で、道路を利用する車は両方を合わせると、1日平均約17万台という都心の幹線道路でありました。その幹線道路を無くすことによる、新たな交通対策システムの整備と、周辺商店に対する活性化対策、営業不便の解消策、駐車場の整備等の、様々な難関を乗り越えても、川の復元の実現に至ったソウル市の目的は何だったのか、その目的は、以下の4つになります。
 第1に、都市の生態系を復元させることで、街を人間中心の環境都市として、新しく生まれ変らせると共に、ソウルのブランド価値を高めるきっかけとすること。
 第2に、本来の姿をとり戻すことで、歴史性の回復を目的とし、遺跡の発掘調査を行うこと。
 第3に、道路の老朽化と、重金属汚染による汚染が進み、市民の安全のために、道路の撤去は最良の選択であること。
 第4に、周辺地域を活性化させ、成長潜在力を高め、高付加価値産業を発展させること。
 これらの4点でありますが、私たちが実際に視察した中で、顕著だったのは、自然回復でありました。約5年前まで、そこが大規模な幹線道路だったとは思えないほどの、水辺空間であり、それまでもそこにあったかのような植物と、何種類もの鳥や魚を目にしました。現在では復元により、130種類以上の動植物が戻って来たそうです。そして、市民の健康作りと、憩いの場として、愛される空間となっていることは、間違いありません。規模は違えど、緑の環境都市を目指す練馬区としても、川と緑の復元という選択は、未来への責任として、必要な選択であると考えますが、いかがでしょうか。
 田柄川緑道は田柄のまちの、南北の中心でもあり、緑が豊かな地域のシンボル的存在であります。ぜひ、地域の方々と共に創り上げていけるような、再整備の形を、築いて参りたいと、私は考えております。再整備に当たっては、計画の段階から地域の方々のご意見も取り入れてもらえる場を、設けて頂けるよう、またさらなる早期実現を要望致しますが、いかがでしょうか。区のお考えをお聞かせください。

答弁@提案の趣旨を踏まえて、検討する。また、田柄川緑道の再整備については、地域の皆様がたの意向を反映した改修計画を順次整備する。