平成22年 第二回 練馬区議会定例会
一般質問(要旨)


練馬区議会自民党 福沢 剛


<地方分権改革および都区のあり方について>
質問1 @ 内閣府に設置された地方分権改革推進委員会の四次にわたる勧告を踏まえ、昨年12月に、「義務付け・枠付けの見直しと条例制定権の拡大」「国と地方の協議の場の法制化」「今後の地域主権改革の推進体制」を主な内容とする「地方分権改革推進計画」が閣議決定されました。
 本年3月には、「地域主権改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案」「地方自治法改正案」および「国と地方の協議の場に関する法律案」が閣議決定され、今通常国会に提出されております。
 今回の見直しは、地域に関する事は地域に住む住民が決定するという本来の分権型社会の実現と、国と地方自治体との関係について、国が地方に上位するという上下の関係や主従の関係ではなく、対等の立場で協議できる関係への転換を目指すことを基本とする考え方に基づくものであると認識しています。
 そこでまず、区は、こうした地方分権に関する流れ、動きをどのように捉え、これからの区政運営をどのように進めてゆこうとしているのか、基本的な考えを伺います。

答弁(区長)⇒@地方分権改革について、国の分権改革の動向を不断に注視するとともに、地域の課題は、自らの判断と責任において対処することができる自立的な区政運営の実現を目指し取り組む。
A 東京都と特別区の関係については、平成18年11月に、都区のあり方検討委員会を設置し、「都区の事務配分に関すること」「特別区の区域のあり方に関すること」「都区の税財政制度に関すること」等について、検討が行われてきました。
 しかし、未だ基本的方向をまとめ上げるには至っておらず、今後も引き続きの検討を重ねてゆくと聞いております。
 そこで伺いますが、同委員会の設置目的の最大の眼目は、都から区への権限の移譲であると認識しています。しかしながら、今現在も都区間の協議が遅々として進展しない理由を区はどのようにお考えでしょうか。お答えください。
 また、これまでの検討作業の成果について、区の受け止めと評価を伺う。また、同委員会における検討の状況および今後の進め方についてと併せてお答えください。

答弁(区長)⇒A今後も基礎自治体優先の原則に立ち、都が実施しなけらばならない事務を除いて、区が担うことを基本にして、必要な財源の移譲と併せて、事務の移管に積極的に取り組む。

<練馬駅北口区有地の活用について>
質問2 @ 練馬駅北口の区有地活用について、我が会派が主張している民間活力の導入とは、民間が有する建設ならびに運営に関する知識や経験、アイデアを積極的に活かすことにより、より効果的な施設整備を可能にし、区民生活の向上に寄与するものであります。
 しかしながら、民間活力の導入による施設整備を推進する一方で、事業の実施にあたり公共側となる区として目指すべき公有地活用の基本理念や施設整備を明確にし、如何にそれを実現してゆき、民間事業者の提案と調和・融合を図るのかが課題となってくると考えます。官と民の協働による相乗効果を施設建設の面でも、施設運営の面でもどのように生み出してゆくのか、所見を伺う。

答弁⇒@にぎわいの創出や区民の交流の場の提供において、民間による柔軟な施設運営のノウハウ、メリットを最大限発揮する。一方で、公益性や周辺への配慮などが求められるので、区の意向が反映できるように、施設整備や施設運営を一定の条件として設定する。
A 事業手法については、定期借地権方式を選択するに至った経緯・理由について伺います。
 また、官民協働による事業を適正かつ確実に実施してゆくためには、民間事業者の選定を公正および適正に行うことはもとより、区と民間事業者との業務負担やリスク分担を明確にすることや、民間事業者が行う事業についても継続的に注視してゆくことが不可欠であると考えます。これ等の点について区はどのように考えているのか、お答えください。
 練馬駅北口区有地は、練馬区において駅前に残された唯一と申し上げてもよい貴重な空間であります。次世代に胸を張って引き継ぐことのできる施設・魅力に富んだ都市空間を現出するよう心から期待するものであり、所定のスケジュールを考慮しながらも、慎重かつしっかりと取り組んでいただきますよう要望いたします。

答弁⇒A本事業の事業手法について、区が直接建設する方式と民間活力を利用する複数の方式について検討した。その結果、民間事業者の参加環境が整いやすいこと、また、区施設整備への国費補助の可能性があることなどから、定期借地権方式が最もふさわしいと考えた。また、官民協働事業であることから、適切な業務分担、リスク分担の明確化が必要になってきます。したがって、今後は、民間事業者を募集する場合には、要求する水準を示す。

<今後の地域医療のあり方について>
質問3 @ 病床を確保し医療機能を充実させるために、昨年7月に、学識経験者および区内の医療関係者により構成された練馬区病床確保・医療機能拡充検討委員会を設置し、その報告が今年の3月に出されておりますが、今回の検討委員会からの報告を受けての区の見解はいかがなものであるのか、また、長期計画では「地域における医療体制を確立する」ための目標値として「人口10万人当たりの病床数が23区平均の3分の1から2分の1となること」としております。この目標値と今回の報告書による提言とを照らして見た際の区の見解はいかがでしょうか、併せてお答えください。
答弁(区長)⇒@練馬区における地域医療のあり方について、委員会の報告については、回復期や慢性期の医療の重要性に触れられていたことについて、大変貴重な提案を頂いたと受け止めている。また、病床数については、目標数値となるまで病床を確保すべきと考えている。
A 病床の確保について、区の西部地域に新たな病院を整備するということも表明してきております。今後どのように具体的に取り組んでいかれるのか、お答えください。
答弁(区長)⇒A新たな病院の整備について、最終的には500床規模の病床を目指している。選定にあたっては、地域バランス、交通の利便性、など多角的に検討する。
B 病院の経営・運営は、全国的に非常に厳しい状況に置かれていると認識しております。区は、増床への取り組みを進める中で、このような現状に対し既存の民間病院をどのように評価し、今後、その役割をどのように位置づけ支援してゆくおつもりなのかお聞かせください。
答弁⇒B区民にとって、必要な救急、産科、小児医療など公的な役割を担う民間病院に対する支援策について、具体的な基準を定めるなど検討する。
C 医療資源の少ない練馬区において地域医療を維持し確保してゆくためには、病院、診療所、行政を含めた地域医療の連携の充実を図ってゆくことが肝要であると考えます。現在は、練馬区医師会を中心として日大練馬光が丘病院、順天堂練馬病院との間での紹介・逆紹介をはじめとする医療連携を行っているとのことですが、今後、さらにそれを拡充してゆくための具体的な取り組みについて、お答えください。
答弁⇒C緊密な連携を構築するため、疾病ごとの医療連携に取り組む。また、周産期セミオープンシステムや災害時医療などの事業ごとの連携も積極的に進める。
D 病床確保に関しての東京都は、「急性期病床だけでなく、回復期・慢性期医療をも見据えた病床の検討が必要である」と提言されています。
 しかしながら、国においては、療養病床については、介護型は平成23年度末までに廃止し、医療型についても大幅に削減することとしております。
 一方、東京都は、「東京都医療費適正化計画」において、国の療養病床削減の再編計画に対して、都全体の療養病床を逆に約7,000床増やし、平成24年度末時点で28,077床にすることを目指しております。
 このような動きの中で、区としては療養病床についてどのような見解をお持ちなのか、また、今後どのように取り組んでゆくおつもりなのか、伺います。
 加えて、療養病床を含めた必要な病床数を確保してゆくためには、東京都との連携が不可欠であると考えます。
 今後の東京都との連携への取り組みについての考え方も併せてお答えください。

答弁⇒D療養病床について、療養型の病床は、これまで以上に必要と考えているので、都と緊密な連携を図り、病床の確保を図る。

<(仮称)こども発達支援センターについて>
質問4 @ 心身障害者福祉センターへ相談に訪れる子供たちの内、発達障害と診断される割合の程度を伺う。
答弁⇒@発達障害と診断された割合は、平成21年度で44%であり、平成13年度に比べ8ポイント増になっている。
A 心身障害者福祉センターでは、児童精神科および小児神経科などの専門医を配置し、質の高い相談・指導・助言を行っていることを評価いたします。
 全国的にはこういった専門医は非常に少ないと伺っておりますが、専門医の診断に基づく適切な助言、そして指導を受けることができるのとできないのとでは、障害のある子供たちの将来に大きな影響が出てくるのではないかと考えております。
 (仮称)こども発達支援センターにおいては、発達障害に関する相談が増加傾向にある中、専門医の配置をより的確に強化してゆく必要があると考えておりますが、区の見解を伺います。

答弁⇒A心身障害者福祉センターにおいて、今年度より小児神経科医をはじめ相談部門の強化を図った。また、(仮称)こども発達支援センター設置後は、都立小児総合医療センターや大学等の協力を得ながら、専門医の確保に努める。
B また、保護者に対する情報提供をはじめとした支援のあり方および取り組みについて、併せてお答えください。練馬区においては、学齢児への支援体制の構築・具体的な支援について、(仮称)こども発達支援センターではどのように取り組んでゆくおつもりなのか、お答えください。
答弁⇒B保護者への支援について、養育支援を行い、二次障害の防止や家族関係の悪化の予防に努める。また、研修会を定期的に開催し、不安の軽減を図る。また、保護者グループの自主的な活動の支援も行い、就学後の子どもたちへの支援についても週一・二回通所による療育を実施している。なお、療育クラス終了後も必要な支援を継続する。
C (仮称)学校教育支援センターには、通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童・生徒達への支援のため引き続き、学校巡回相談員ならびに学校巡回相談専門家チームが配置されます。
 この学校巡回相談員および学校巡回相談専門家チームを含めた、(仮称)学校教育支援センターと(仮称)こども発達支援センターとの連携についての考えと取り組みについて伺う。

答弁⇒Cこども発達支援センターで専門医の診察や療育を行うなど、二つのセンターが情報を共有し、一体として支援できる体制の構築に向け検討を進める。

<教育について>
質問5 @ 「ゆとり」と決別した充実した内容となった教科書について、率直にどのように受け止めておられるのか、教育長の見解を。また、こういった教科書をどのように使いこなして、丁寧な授業を行ってゆくのか、という課題が生じます。
 全てを教えようとすれば、児童の学習能力を超え、「詰め込み」に逆戻りしかねません。教材と指導法を研究し、取捨選択をして、理解度を把握しながら授業を進めてゆく力量が求められると考えますが、教師力の向上を含め、どのように取り組んでゆくおつもりなのか、お答えください。

答弁(教育長)⇒@検定教科書の受け止め方について、学習指導要領の改訂を受け、質・量ともに充実した内容になっている。したがって、これまで以上に指導する教員の資質能力が重要になるものと受け止める。また、教員の指導力の向上について、教育委員会として独自に作成している指導計画資料や、区教育研究員の成果を活用するほか、主任教諭を生かした校内の指導機能を高め、教員の指導力向上に努める。
A 完全学校5日制は維持され、新教科書の内容を丁寧に教えようとすれば、今以上に授業時間の確保と教師力の充実を図らなければなりません。
 練馬区では新学習指導要領の完全実施にあたり、2学期制および夏季休業日の5日間短縮により時間数確保を図っております。
 そのような中、今年に入り東京都教育委員会は「土曜日における授業の実施に係る留意点について」を区市町村教育委員会に通知をし、学校・家庭・地域の連携と役割分担を進めるという「学校週5日制の趣旨」に合うように「保護者や地域住民等に開かれた学校づくりを進める観点から実施できるもの」と限定しながらも、正規の授業を土曜日に行うことへの道を開きました。
 この度の内容の通知を出すに至った都教委にはどのような考えと判断があったと考えるのか伺う。

答弁(教育長)⇒A学校・家庭・地域社会の連携が必ずしも十分ではないことや、子供の土曜日の過ごし方および授業時間数確保等の課題があると受け止めています。
B 練馬区においても今以上の土曜日の活用、まずは都教委の認めるところの授業を月2回実施してゆくべきと要望いたしますが、教育長の見解を伺う。
答弁(教育長)⇒B土曜日における授業の実施について、学校5日制の趣旨を踏まえつつ、校長会と協議を進めている。また、PTA連合会にも情報提供し、意見を聞きながら、教育委員会で協議を進める。
C 全国学力テストについて、平成19年に43年ぶりに復活した「全国学力・学習状況調査」の4回目が4月20日に実施されました。
 その内容も新聞記事など、日常生活をモチーフにした出題が目立ち、知識活用を目指す新学習指導要領を先取りしたものとなっていました。
 しかしながら、ご案内の通り、昨年度には全校参加が実現し、成績の振るわなかった沖縄県が毎年上位の秋田県と教員の交流を始めたり、大阪府では教育振興基金を創設したりと、成績上位の自治体や学校に学ぼうとする機運が出始めたばかりにもかかわらず、今年からは民主党政権により全員参加から抽出方式に切り替えられ、さらにその抽出率が、文科省が示した4割から、「経費削減ありき」の事業仕分けで3割に縮小され行われました。
 昭和30年代の全国学力テストは、日本教職員組合が反対闘争を繰り広げた結果、抽出方式となり、結局、廃止に追い込まれ、全国的に児童・生徒の学力を把握する手段がなくなりました。
 民主党の縮小理由は経費削減の他、「過度の競争をあおる」というその日教組の主張に沿ったものであり、教員免許更新制度廃止などと並んでその教育政策には懸念されるものが多くあります。
 しかし、今回は自主参加を認めた結果、多くの自治体や学校が全国学力テストの必要性や重要性を認識しているのでしょう、抽出校と併せると、実に全校の7割を超える参加がありました。
 民主党と文科省は、自主参加校がこれほど多い結果をどう受け止めているのか。政策の誤りを認め、来年から全員参加に戻すべきであります。
 東京23区においては5区が全校参加をし、学校単位ではさらに11区が参加し、併せて16区が自主参加した中で、練馬区は参加を見送りました。
 全校の7割を超えるという参加校の数字を練馬区はどのように捉えているのでしょうか、また不参加とした経緯・理由についてお答えください。

答弁(教育長)⇒C学力調査の意義については、十分認識しているが、一方で課題もあり、参加することの利点も併せて、抽出校以外は、不参加とした。
D 全国学力テストについて、練馬区では、この全員参加と抽出方式との違いをどのように捉えているのか、見解を伺います。
答弁(教育長)⇒D抽出方式の調査と全員を対象とした調査の違いについて、抽出方式については、全体的な傾向を把握することが目的となります。それと全員参加の場合には、結果の分析を通してそれぞれの学校の実態に合った指導改善ができると認識している。
E 今後、どのようにして児童・生徒の個々の課題を見出し、把握して学力向上につなげてゆくのか、その取り組みについてお答えください。
 また、来年以降は全国学力テストに参加すべきであると要望いたしますが、見解を伺います。

答弁(教育長)⇒E参加については、実施方法が、今年度と同じ場合には、抽出校のみが参加する予定です。
F 全国学力テストと同時に実施されていた生活状況調査も多くの自治体が児童・生徒の生活習慣改善に活用していましたが、抽出方式により、これも一律には把握できなくなりました。
 練馬区では、このことに対してどのように対応され、その改善に取り組まれるおつもりなのか、お答えください。

答弁(教育長)⇒F本区で実施している新体力テストの調査の中にある生活に関するアンケートや総合教育センターが実施する児童生徒基礎調査などを有効に活用する。